中学生棋士藤井聡太六段が師匠の杉本昌隆七段に公式戦初対局で勝利!

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このブログでもたびたび取り上げてきた中学生棋士藤井聡太六段が、師匠の杉本昌隆七段と(公式戦では)初対局し、勝利した!

藤井聡太六段のプロフィールはこちら 五段昇段についてはこちら 六段昇段についてはこちら)

2月に五段、六段と二度の昇段を果たした藤井聡太六段。

いづれも最年少記録である。

その藤井聡太六段が8日、大阪市内の関西将棋会館でで行われた第68期王将戦1次予選で師匠の杉本昌隆七段(49)と公式戦では初めて対局し、千日手指し直しの末、勝利した。

対局は午前10時に始まり、同一局面が4回繰り返されると無勝負となる千日手が成立。

午後2時前に藤井六段の先手で指し直しとなり、午後6時20分、111手で杉本七段が投了、弟子の藤井六段が勝利した!
弟子の藤井六段は師匠との対局について、笑顔で次のように語った。

対局前からすごく楽しみにしていました。対局中はいつも通りの気持ちでいきました。とてもいい経験になりました。

師匠の杉本七段は、次のように振り返った。

藤井六段の強さは証明されていますから。勝負は残念ですが、記念のすばらしい1日になりました」と振り返った。千日手になった一戦では、師匠の故板谷進九段の扇子を持って対局した。午後からは別の扇子に変更した。

杉本七段は名古屋市出身で、東海地方での将棋普及に力を入れている。

愛知県瀬戸市に住む藤井六段は5歳で将棋を始め、自宅近くの将棋教室に通い出したことをきっかけに小学4年の時、杉本七段に弟子入りした。(詳しくはこちら)。

これまでの師匠との対局は、100局にも満たないという。

杉本七段は他の弟子と藤井を対局させ、感想戦でアドバイスするように心がけたと、次のエピソードを話した。

自分はプロなので、指せば影響を与える自信はあった。ただそれは、藤井にとってはいいことではないように感じた。

型にはめず、自らが考えて答えを出せるように導いた。それだけの才能があった。

多くの報道陣に囲まれた杉本七段は、対局後、師弟戦の想いを語った。

 

その様子は、TBSTV<ひるおび>にも翌9日に生出演し、心中を語った。

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まず、杉本七段は2局を振り返って次のように語った。

千日手はこちらから打開することができなかった。きょうは長くやりたかったので、途中から指し直しにするつもりでした。

また、指し直し局については・・・

 練習将棋ではあまりこういったかたち(千日手)はなかった。私はもともと四間飛車(戦型)でプロになった。藤井六段を弟子にしてからはあまり(四間飛車)の将棋を指したことはなかった。きょうはプロになった原点の四間飛車でいこうかなと決めていました。

そして、師匠の故板谷進九段への思いについては・・・

 私が19歳のときに師匠は亡くなった。まだプロになっていなかった。師匠と公式戦で戦うことができなかった。形を変えて、藤井六段と戦えたのはうれしかった。

また、持っていた扇子については・・・

 午前と午後で扇子を変えた。午前中は師匠の扇子。ずっとこれを持っていると、昔のことをいろいろ思い出したりして感傷にふけってしまいそうだった。午後からは扇子を変えた。

-午前中の対局で、初手まで約2分間について訊かれると・・・

 自分の棋士人生の中でも一番注目された対局。こういう対局ができるのをうれしく思った。いろいろな人への感謝の思いがあった。

たくさんの報道陣に囲まれた感想については・・・

 毎回、彼はこんな注目されている場で指しているんだな。あらためて大変さが分かった。

いま藤井六段にかけたい言葉を訊かれると・・・

 彼の強さは証明されている。あらためて言葉はない。この対局は藤井六段のみならず、私まで注目していただいた。勝負としては残念だが、記念にもなった。きょうはすばらしい1日でした。

また対戦したいかという質問には・・・

 同じ関西の棋士なので、またいつか対局する日がある。そのときは藤井六段はさらに成長していると思う。もう1回、対局したい。

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さいごに・・・

世間では、弟子が師匠を敗った対局ということで、「恩返し」対局と言われているようだ。

恩返しとなったかどうかは、ご本人たちに訊かないことにはわからないが・・・

インタビューを読んでいて、杉本七段と藤井六段の受け答えがどちらも成熟して、大人だなあと感じた。

弟子がこれだけの成長(史上最年少六段昇段)を見せてくれたら、師匠冥利に尽きるのではないだろうか?

師弟ともに更なる高見を目指して頑張ってほしいと願うばかりだ!

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