ネットで話題!3000年に一度咲く優曇華(うどんげ)の花の正体とは?

植物いろいろ

 

今日ツイッターに「優曇華(うどんげ)」の花(?)と呼ばれる写真が投稿され、ネットで話題になっている。

ネットで話題の優曇華の花はどこで発見されたのか?

投稿された写真がこちら

細い線状の茎(?)のようなものから、ほんのり黄色に色づいた綿帽子みたいな丸いものがついている。

この幻想的な写真を投稿したのは、神奈川県大和市の「渡辺福助」さん。

今月20日に大和市の自宅近くの公園で発見したという。

最初は「キノコの一種」だと思ったらしいが、後に何かの本で見た「優曇華」の花だと気づいたそうだ。

3000年に一度咲く優曇華の花とは?

優曇華」は「憂曇華」とも書かれ、植物の名前。もともとはサンスクリット語(梵語)のउडुम्बर(uḍumbara)を語源とし、次の3つのものを指す場合がある。

1伝説上の植物を指す場合

2..実在の植物を示す場合

3.昆虫の卵を指す場合

それでは、この3つのケースをそれぞれ見ていこう。

1.伝説上の植物を指す場合

仏教の経典では、3000年に一度花が咲く花として登場し、その時に金輪王が現世に出現するという。

『金光明経』讃仏品には「希有、希有、仏出於世、如優曇華時一現耳」とあるそうだ。

また『法華経妙荘厳王本事品』では、法華経に遭うことの難しさを、3000年に一度咲く優曇華の花を見ることの難しさに例えられている。

その他南史』にも出ているという。

日本の古典文学では、『竹取物語』、『源氏物語』若紫、『うつほ物語』などに用例があるらしい。

近代文学では、岡本綺堂『半七捕物帳 人形使い』、蒲原有明『仙人掌と花火の鑑賞』、斎藤緑雨『かくれんぼ』、泉鏡花『白金之絵図』、田山花袋『道綱の母』、夏目漱石『虞美人草』などに用例がある。

現代文学では、宮本輝『蛍川』などに用例がある。

しかし、古典から現代に至るまで、いずれも架空の花、つまり3000年に一度咲く花として用いられている。

架空の花から実在する花へ

このように、優曇華の花はもともと経典や文学に出てくる「3000年に一度咲く架空の花」だった。

まず、架空の花として広まり、その後にに実在の植物名に用いられることになった。

実在する花・優曇華:中国の場合

2010年には、中国江西省九江市の民家で2輪の優曇華の花が見つかった。

発見当時2輪だった花は18輪まで増えたという。その時の写真がこちら。

今回投稿されたに日本の優曇華とはずいぶん生え方が違いますね!

実在する花・優曇華:日本の場合

日本では、次の3つを優曇華と呼ぶ場合があるようだ。

1つ目は熊本県山鹿市と長崎県佐世保市のみに自生するマメ科のアイラトビカズラ(写真下)

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2つ目は南アジア原産のクワ科の落葉高木、フサナリイチジク (写真下)である。

3つ目は中国が原産バショウ科のバショウの花(写真下)である。

形状はバナナと似ているが、食用には不適なそうだ。

このように、実在する植物にも、後付けで「優曇華」という花の名が与えられてきたようである。

では、最後に昆虫の卵説について見ていきたい。

昆虫の卵の場合

優曇華の第3の可能性である昆虫の卵とは、いったい何なのであろうか?

答えは・・・・・

他のものに産みつけられたクサカゲロウの卵塊である。

こちら(写真下左)の画像では、葉っぱらしきものから糸のようなものが出て、その先には米粒みたいな薄い黄色のものをつけており、これは今日話題になっている写真(写真下右)によく似ている。

           

クサカゲロウとは、クサカゲロウ科に分類される昆虫の総称で、一般的には成虫は黄緑色の体と水滴型で半透明のをもつという(写真下)。

日本の広い範囲に生息し、春から枝や葉などに卵を産み付けるのだそう。

投稿写真:優曇華の花と呼ばれているものの正体は?

NHKNews Webによれば、石川県白山市にある「石川県ふれあい昆虫館」の学芸員、渡部晃平さんに画像を見てもらったところ、「クサカゲロウの卵に間違いない」ことがわかったとか。

クサカゲロウの卵について、渡部さんは次のように話している。

枝や葉などに卵を産み付けます。茎のように見えるのはメスが腹から出した糸で、先端についているのが卵です。卵は直径1ミリほどだということです。」

クサカゲロウ:珍しい卵の形の理由

なぜ、クサカゲロウの卵はこのような珍しい形になったのだろうか?

その理由は・・・卵をアリから守るためと考えられている。

渡部さんによると、クサカゲロウはアブラムシが好物だが、アブラムシがいるところには、共生関係にあるアリも多くいて、このアリに卵を食べられる恐れがあるという。

このため「餌のアブラムシがいる場所で、かつアリに卵を食べられることがない」ことを狙って、枝や葉から離すように卵を産むのではないか(?)というわけです。

クサカゲロウの仲間は必ずしも珍しい虫ではなく、渡部さんによれば、松山市にある実家の庭でよく見かけたそうだ。

しかし、枝などに産み付けられた卵はとても小さく、その光景に気付く人は少ないのではないか、と渡部さんは話している。

ネットの反応

「小さくてかわいい」

「めっちゃ綺麗」

「優曇華の花って実在するの!?」

「伝説のものと思っていた」など感想や驚きの声が数多く寄せられたという。

ちなみにリツイート数は、2日間で2万5000を超えたそうだ。

3000年に一度咲く優曇華の花・・・なんともロマンチックなニュースでしたね。

おしまい

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