3月は卒業式の季節である。
小学校から大学院まで卒業式が行われるのは、3月と決まっている。
卒業式で女子学生の式服の定番と言えば、着物に袴姿である。
筆者も女子大卒なので、大学の卒業式には無地の小紋に紺(群青?)色の袴を着たのを思い出す
しかし、最近では、卒業式の袴姿は女子大学生の特権ではないようだ。
な、なんと!卒業式に袴を着る小学生が増えているというのだ。
目次
小学校卒業式に袴!?
このニュースは、20日の東京新聞のWeb Newsで取り上げられ、21日にはTBS<ひるおび>で放送された。
このような卒業式はハイカラ卒業式と呼ばれるそうだ。(出典)
そこで、本稿では首都圏を中心に広がる女子小学生憧れのハイカラ卒業式の実態についてまとめる。
下の写真は金沢亜実さん(中)と母の伸江さん(右)親子が小学校の卒業式で着る袴を選んでいる。
<ひるおび>によれば、少女たちのこうしたハイカラ卒業式人気は、次の理由があるそうだ。
袴着用の理由には、他にも少女たちが上級生の卒業式で袴姿を見て「かわいい、自分も着たい」とか・・・
お友達に一緒に着ようと誘われたとか・・・。
漫画「はいからさんが通る」の人気も挙げられるという。
筆者の小学生時代ははまさに「はいからさん」世代であった。
今小学生の子供を持つお母さんの世代筆者同様ハイカラさん世代の子供時代を過ごしたということは想像に難くない。
筆者は映画「ちはやふる」などで袴姿がかっこよく見えて、影響されたのではないか?と思えてならない。
が、小学生であれば、TVの影響よりもお友達が着るから自分も着たいという理由の方が現実的に多いような気がする。
また、親が成人式に袴を着た世代だと、小学校の卒業式に袴を着せることもあるようで、年々袴着用が増えていくだろうとの見方は2017年時点であった。
小学校卒業式に袴はいつから?
調べたところ、すでに2年前(2016)から卒業式での袴の着用は広まりつつあったようだ。
札幌のある小学校では女子の袴率が半数もあったという(出典)。
1年前(2017)には、首都圏を中心に男女ともに3割程度、四分の一程度だったとも。(出典)。
地域によってはゼロというところもあったそうだ。
多数派はやはりスーツのようである。
袴が流行る前は、ブレザーにスカートなどAKB48を思わせる服装が多かったという話もよく聞く。
ちなみに、今年(2018)卒業式で袴を着た小学生は、1年前に袴を予約していたという。
袴の着用が増えるにつれて、小学校卒業式での袴着用を禁止する学校も出てきている。
小学校卒業式に袴を禁止!?
中には、卒業式に袴の着用を禁止する小学校も出てきているようだ。
<ひるおび>では禁止の理由について・・・
- 着物を着慣れないため、檀上に行くのに転倒の恐れがある
- トイレが大変
- 華美である
などが挙げられていた。
実際、慣れない和装に具合が悪くなる子が出て、それ以来禁止にしているという小学校もあるという(出典)。
やはり、子供の健康に影響があるということで、禁止という対策がとられたということが、禁止理由として大きいのだろうか?
ネットの反応
袴卒業式禁止?については、ネットの反応も様々なので、ここでネットの反応として世間の賛否の声を紹介しよう。
袴卒業式賛成の意見
・子供が着たがっているから
・自分(親)が着てほしいから
・人生の節目だし、いいものを着せたい
・クラスで着ると言っている人がいるから
子供は「みんな着ると言っていた」と言うが、実際にはみんなはクラスで5,6人だったということもあるようだ。
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「子供のいうみんななんてそんなものだ」という声も聞こえたきたのも事実である。
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袴卒業式反対の意見
・大学や専門学校を出たときの楽しみがなくなる
・着崩れしたときに直してくれる人がいない
・子供らしさがない、華美である
・トイレに行くときに大変
・防寒対策がしにくい
・卒業式特有の「起立、着席、お辞儀」が少し大変
・レンタル代、着付け代が高い
・汚れたら大変
袴卒業式禁止に対する反対意見
- 子どもや親の自由に任せればよいのであって、あえて制限する必要はない。
- どのようなデザイン、色の服を着るのかは、個人の自由であって、あまりにも場違いな服装の場合は、その都度注意することで足りる。
- そもそも、服装は自己表現の手段であって、表現の自由の一つだ。(出典)
袴卒業式に規制が必要という意見
- 日頃、和服を着慣れないので、壇上に上がった場合に転倒するおそれがある。
- トイレに行くのが大変だ。
- たった1日の式のために数万の出費は無駄である。
- 派手な衣装がエスカレートする可能性がある。
- 何よりも経済的に裕福でない家庭のことを考えるべきだ。
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さいごに・・・
ネットの反応はさまざまあるが、さいごに筆者の意見を述べて結びとしたい。
筆者の個人的な意見は袴を小学生が卒業式で着るということには、あまり賛成ではない。
が、学校で禁止するのは疑問である。
ネットの反対意見で目立ったものに、「華美である」「費用が高い」「大学卒業式での楽しみがない」などがあった。
だが、これは袴を着る小学生親子が考える(感じる)ことであって、周りがとやかく言うものではないと思う。
例えば、華美すぎる・・・場違い・・・な恰好をして浮いて恥ずかしい思いをするのも本人だし、1日のために大枚なお金をかけるのも、本人が納得してやっていれば、問題ではないと思う。
逆にスーツでも万単位の高価なものもあると思うので、そちらの場合は「華美すぎる」と批判されないのに、なぜ袴だと批判されるのか?不思議である。
ただ、慣れない和装でトイレもヘルプがいったり、転倒の割合が一定数あるのならば、生徒の身の安全を考え、「禁止」という選択も止む無しかもしれないと思う。
ただ、筆者としては、画一的に「禁止」とするのは反対である。
なぜなら、「小学生とはこうあるべき」と型にはめてしまうことで、自分の頭で考える子供が育ちにくいと思うからだ。
おしゃれ云々ではなく、子供たちには「自分はこれが着たい」とか、「卒業式に袴はふさわしいか?」「自分は袴を着て一人でトイレできるのか?」といったことを、自分で考えてほしいと思うのだ。
そうしないと、大人になった社会に出た時、「イエスマン」や「指示待ち人間」になってしまう可能性があるからだ。
ネットには、次の問題提起があり、非常に考えさせられた。
■〈ドレスコード〉としての「袴禁止」
■弱者へのこころ配りのない自由は、道徳的退廃につながる
まず、ドレスコードとしての「袴禁止」についてだが、「ドレスコード」という大人の考え方を取り入れれば、管理・統制は楽になるが、多様性は減るだろう。
また、上述したように、子供たちの考える力を奪うのではないか?と思ってしまう。
弱者へのこころ配りのない自由は、道徳的退廃につながるについては、「周りのお友達はどう思うか?」と考えさせるのが教育だと思う。
小学校には、子供たちの「EQ」を伸ばす教育をぜひしてほしい。
「袴を着られない子供もいるのだから、止めましょうね」と画一的に禁止することには、筆者は賛成でない。
各学校で教師と親子を含めた活発な議論を、とことんしてはいかがだろう・・・と思う。
さいごまでお読みいただき、ありがとうございました。
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