東京・銀座にある中央区立泰明小学校がイタリアの高級ブランド「アルマーニ」監修の標準服(制服)を4月から導入することが本日8日明らかとなった。
目次
泰明小学校ってどんな小学校?
泰明小学校はの明治11年(140年前)に開校し、総理大臣を務めた近衛文麿や文豪の島崎藤村なども学んだ伝統ある学校である。
銀座の真ん中という立地にあるが、現在周囲はオフィスや老舗商店ばかりのため、通っている児童の数は少なく、学区外からも通える「特認校」の1つに指定されている。
学校では、地元の商店などの協力を得て地域の歴史や文化を学ぶカリキュラムを組むなど、特色のある授業を打ち出しているという。
中央区の教育委員会によると、泰明小学校ではこの春に入学する新1年生およそ60人のうち、半数にあたる30人程度を学区外から受け入れる予定であるという。(出典)
現在の標準服の値段
NHK<News 7>によれば、従来の標準服(制服)は男子が約1万7000円、女子が約1万9000円である。
新標準服(アルマーニ)の値段
アルマーニの標準服が導入されると男子が約4万4000円、女子が約4万6000円となり、保護者の負担は2.5倍程度増えることになる。
また、上着やシャツ、ズボンや帽子など最低限必要なものに加え、靴下やセーター、洗い替えのシャツなどを買い揃えると約8万円になるという。
導入の時期は、4月に入学する新1年生からとなる。
着用は新1年生のみで、在校生は従来の服を着る。
中央区教育委員会によると、標準服の変更は泰明小の校長のアイデアで進められ、アルマーニがデザインの監修を引き受けた。
区教委は「保護者らの十分な合意がなされていないのが一番の課題。公教育なので泰明小を選択できないということがあってはならない。きちんとケアしていきたい」としている。
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ハフポスト電子版に掲載されました内容について
2月8日午前7時に、ハフポスト電子版に掲載されました内容について校長として、これからの泰明小学校を思い決断したことでございます。
11月の文面で十分に思いが伝わらなかったことを反省し、残念に思っております。
説明が足りなかったこと、タイミングが遅かったというご指摘については謙虚に受け止め、これからもご関係の皆様には、丁寧に説明を行って参ります。
教育委員会の見解
中央区教育委員会は、会見で新しい標準服を買い揃えた場合、これまでのものの2倍以上になるという。
また、導入や業者の選定は校長の判断であり、「標準服」はあくまでも任意で着用するものとした上で、新入生の保護者などとの合意プロセスについて、次のようにコメント。
残念に思う。校長には保護者や地域の方々の了解を得るよう指導してきたがチェックが十分でなかった。保護者などから十分に理解が得られない状況が生まれたことは反省点だ
その上で、次のようにも述べた。
着用は強制ではなく、校長には改めて保護者にしっかり説明するよう指導し、不安を取り除くよう対応したい
また、記者から新しい標準服によって保護者の負担が増えることについて問われると、
重く受け止める
としたものの、区教委としては価格やデザインの是非については議論する立場にないとした。
国会の反応
本件が衆議院予算委員会で取り上げられると、麻生太郎財務相は、この金額についての感想を求められ、次のように答えた。
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まあ、高けえちゃ、高いでしょう。あなたの背広がいくらか知らないが、8万円は高いものだと思う
公立小学校の標準服の観点からは高額との見方を示したことになる。
その上で、泰明小学校について、自身が自民党の文教部会長時代、児童数が少なかった小学校の統合に当たった経験を持ち出し、
(泰明小を)つぶそうとしたが、銀座のすし店のオヤジから何から『おれの母校だ』とえらい勢いで言われ、これでは銀座を歩けないと思った。えらい伝統のある学校だと思った
との認識を示した。
文科省を所管する林芳正文科相は、問題が波紋を広げていることを踏まえて、次のように指摘した。
制服を決める過程で、保護者がステークホルダーと話をされて決めていればな、という印象を持った。
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