今月5日、WHO(世界保健機関)は「ゲーム障害」を新たな病気として「国際疾病分類」に加えることを発表した。
ここでは、ゲーム障害の症状、最悪死に至るゲースも含めてゲーム中毒になった人の実態を、まとめてみた。
目次
ゲーム障害とは? ネトゲ廃人とは?
死に至るケースも発生している「ゲーム障害」とはどのような症状を指しているのだろうか?
それは・・・・・・WHOによれば、次のように説明している。
「ゲーム障害」と診断する基準として、ゲームをしたい欲求を抑えられずにゲームを続けてしまう状態が1年間続き、家族関係や仕事を含めて生活に支障を来している場合 (出典)
ここでいうゲームとはインターネットゲームのことである。
最近では、ネトゲ廃人なる言葉も広まってきている位、ゲーム中毒は一般的に知られてきた。
ネトゲ廃人とは・・・
オンラインゲームに没頭するあまり、ゲーム中心の生活から抜け出せず、現実の社会生活に戻れなくなった人などをいう。(出典)
スマホの普及で、わざわざゲーム機を持たなくても、スマホで手軽にゲームができる世の中である。
では、ネトゲ廃人を生み出してしまう最近のネットゲームには、どのような特徴があるのだろうか?
ネトゲ廃人生み出す最近のネットゲーム3つの特徴
1)プレイ時間が無限
従来のTVゲーム機と異なり、内容や課題が更新されるので、クリア終了がない。
よって、際限なくゲームにはまってしまう危険性がある。
韓国などではネットカフェで長期滞在し、プレイし続けるネトゲ廃人が社会問題化している。
2)味方を操作するプレーヤーの存在
従来のTVゲーム機は敵・味方がNPC(自動プログラム操作)だった。
しかし、ネットゲームでは回線を通じて現実のプレーヤーが意思を持って味方をプレイしている。
このため、仮想のゲーム空間の中で回線を介して現実のプレーヤー同士の間で「しがらみ」「プレーヤー仲間」が生じる。
それ故、自分ひとりの意思で仲間やチームから抜け出ることが容易でなくなっている。
3)仮想アイテムの市場価値
仮想ゲーム内では、見知らぬ第三者間同士のプレーヤーが遭遇し、協力する。
このプレーヤー同士のコミュニティにおいて、現実のお金を支払ってでも、レベルの高い仮想アイテムを譲って欲しいというプレーヤーが多数発生した。
近年、オンライン上で電子マネー決済やクレジット決済が普及し、仮想アイテム売買と振り込め詐欺が関連して問題化している。 (出典)
詳しくは以下のの書籍を参考にされたい。
芦崎治著『ネトゲ廃人』山田みらい著
ネトゲで死に至る人々
それでは、ネトゲ廃人を生み出す背景がわかったといころで、ゲーム障害に陥る人々、ネトゲ廃人の症状を実例で見ていこう。
驚くことに、ネトゲ中毒が死に至るケースは今今起こっている事ではなく・・・・・・
15年以上前の2002年には韓国で、また2011年には中国やイギリスで起こっていた!
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ネトゲ中毒で本人がなくなった4つのケース
実例1:86時間ネトゲの韓国24歳男性死亡(2002.10.8)
韓国の中央日報(Web・日本語版)によると、10月8日午前、光州市のネットカフェで、24歳の無職男性が倒れて死亡しているのを従業員が見つけて警察に通報した。
男性は3日半以上にわたって連続でネットゲームに没頭していたという。
従業員によると、男性は死亡していたのが見つかった1時間前にトイレで気を失って倒れていたが、意識を取り戻すとすぐにゲームを続行したという。
現地警察は長時間のプレイによる激しい疲労で死亡したと見ており、司法解剖して死因を調べる方針という。
実例2:3日間ノンストップでネトゲ、中国の30代男性死亡(2011.2.22)
2011年2月22日の中国国営・京華時報(Beijing Times)によれば、北京郊外のインターネットカフェで、30代の男性がほとんど飲まず食わずで3日間、ネットゲームにふけった末、急死した。
この男性はネットカフェで昏睡状態に陥り、近くの病院へ急送されたがまもなく死亡。
過去1か月の間に男性は、1万元(約13万円)以上をインターネット・ゲームに費やしており、亡くなる前の3日間は着席したコンピューターの前からほとんど動いていなかった。
男性の死因は肺栓塞によるものであることが明らかとなった。
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この病気は、例えば長時間動かずにいることで肺の静脈の中に血栓ができ、それが血液の流れをせき止めることで引き起こされるものである。
つまり、ゲームの最中全く同じ姿勢のままでいたことで、彼の体内に血栓が発生し、それが彼を死に至らしめたのだ。
もっとも男性はゲームの最中に、胸の辺りに痛みを感じると話していたそうだ。
つまりそのサインを見逃していなければ彼の命は助かった可能性もあったであろうが、動くことすら忘れてひたすらゲームに没頭していたというから、そうした兆候に注意を払うことなどできなかったのかもしれない。
実例4:ネトゲで9時間座ったままの23歳台湾男性が座ったまま死亡(2012.2.3)
台湾・新北市で、インターネットカフェでネットゲーム中に死亡した23歳の男性が、発見されるまで数時間も座ったままの状態で放置されていたことが3日、明らかになった。
店内には当時30人ほどの客がいたが、男性が死んでいることに誰一人気付かなかったという。
警察発表によると、この男性は前月31日の夜、市内のネットカフェに入店。
翌2月1日の夜になって女性店員が死亡しているのを発見した。
遺体は背筋を伸ばした状態で椅子に座り、両手も机前方に伸びたままだったという。
この女性店員が、1日の昼ごろに男性が電話で話しているのを目撃していることから、男性は9時間も同じパソコンの前に座り続けていたことになる。
初動捜査によれば、男性の死因は低体温による心停止とみられている。(出典)
ネトゲ中毒で家族を殺した4つのケース
次はゲームのし過ぎで本人が死に至ったのではなく、人(家族)を殺してしまったケースを見ていこう。
実例5:ネットゲームのやりすぎを注意されキレた男性が実母を殺害(2010.2.19)
韓国では、17日インターネットゲームばかりをしていると注意した実母を殺害した容疑で、22歳の息子を逮捕した。
男性は、楊州市内の自宅でマスクと帽子で変装し、居間で寝ていた実母を鈍器で殴打、殺害した。
男性は母親と2人で住んでおり、普段から母親にインターネットゲームのやりすぎを注意され、その事を恨んでの犯行だったようだ。
犯行後、母親の死体がある居間で4時間もそのままTVを見て、その後、母親のクレジットカードを持ち出し、ネットカフェでゲームをしながら、モーテルなどに滞在していた。(出典)
実例6:ネトゲ中毒の韓国人夫婦、3歳の娘を餓死させる(2010.3.6)
韓国の夫婦(父親41歳、母親25歳)の夫婦が生後3か月の娘を自宅に放置して、餓死させた。
この夫婦は2008年にインターネットを通じて知り合い、結婚。
夫婦は自宅近くのインターネットカフェで1日12時間も過ごし、少女キャラクターを育成するオンラインゲームに熱中する一方、実の娘の世話は放棄していた。
検視の結果、死因は長期間の栄養失調だったことが明らかになっていた。
両親は娘が死亡した後、警察の捜査から逃れるため逃亡していた。(出典)
実例7:ネトゲ中毒の韓国中3男子が母親殺し、自殺(2010.11.17)
聯合(Yonhap)ニュースによれば、韓国・釜山市では中学3年の男子学生(15歳)がコンピューターゲームのやりすぎを叱った母親(43)を殺害し、その後自殺したとみられる事件が起きた。
16日午前7時ごろ少年の妹(12)が、自宅の寝室で母親の遺体を見つけた。
少年も家の中のガス管から首をつっているのが見つかった。
妹は、少年はゲーム中毒気味で、ゲームをめぐってよく母親と口論していたと警察に話している。
捜査当局は少年は母親を殺害した後、罪の意識から自殺したとみている。(出典)
3月25日、ソウル(Seoul)では、ネットカフェでオンラインゲームに熱中していた26歳女性がそのままトイレで赤ちゃんを出産。
赤ちゃんをプラスチック製の袋に入れて密封し、そばの駐車場に遺棄した。
警察は「女は赤ちゃんを出産する直前までゲームで遊んでいた。破水したことにも気づかなかった」と語った。(出典)
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ネトゲによる健康被害
上述してきた例を見ると、長時間ネットゲームに没頭することによる心停止、極度の疲労・緊張状態、低体温、エコノミー症候群が死に至らしめるということがわかります。
2017年には次のような衝撃的なデータが発表されました!
1日に6時間座っていると死のリスクが40%増大する
1日に6時間座る生活を続けていると、たとえ日常的に運動をしていたとしても1日に3時間しか座らない生活の人に比べて15年以内に死ぬ確率が40%増えるとのこと。
研究によると、このリスクを回避する方法はただ一つしかなく、それは「座る時間を減らす」ことだそうです。
さいごに・・・
ゲームのプレイヤー本人の健康被害もさることながら・・・
ゲームのしすぎを注意されたことで、自分を産み育ててくれた親まで殺すという事件もありました。
逆に子育て放棄により可愛いわが子を殺したりと・・・痛ましい事件も起こっています。
ネット中毒による死亡も殺害が社会問題となって、もう8年も経っていることに驚きです。
韓国・中国に比べ、日本での事件は少ないのかもしれません。
でも、これからは日本にいる私たちも他人事ではないかもしれません。
そのうち、他人同士の傷害や殺人事件も起こりうるかもしれません。
私はネットゲーム(ゲーム全般)をしないのですが、だから安心と言えるのでしょうか・・・?
自分の身を守っていく必要を感じてしまいます。
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