2018年は犬年ですね。
十二支の中に犬はあるのに、猫がないのはどうしてかな?と不思議に思いませんか?
私自身は子供の頃、まんが日本昔話で十二支に猫がいないという民話を知りました。
この民話はご存知の方も少なくないのではないでしょうか。
目次
十二支に猫がいない理由(昔話より)
昔話によれば・・・
昔昔のこと。ある年の暮れに神様が動物たちにお触れを出したそうです。
そのお触れの内容といいうのが・・・
「元旦に挨拶に来い。」というもので・・・
「一番早く来た者から十二番目の者までは、順にそれぞれ一年の間動物の大将にしてやろう」と。
動物たちはわれが一番とばかりに気張って、元旦が来るのを待っていました。
しかし、猫ばかりはいつ神様のところへ行くのか忘れてしまいました。
そこで、ネズミに尋ねたところ、ネズミは1日遅れの日を教え、猫はそれを真に受けて、喜んで帰っていったそうです。
さていよいよ元旦。
牛は歩くのが遅いので、一足早く出かけようと夜のうちから支度をし、暗いうちに出発しました。
牛小屋の天井でこれを見ていたネズミは、ぽんと牛の背中に飛び乗り、神様の御殿へと向かいました。
神様の御殿に近付いてみると・・・まだ誰も来ていません。
我こそ一番と牛が喜んで待つうちに・・・門が開きました。
すると、とたんに牛の背中からネズミが飛び降り、ちょろちょろっと走って一番になってしまいました!
それで牛は二番、それから虎、兎、龍、蛇、馬、羊、猿、鶏、犬、猪の順で着いた。
猫は一日遅れで行ったものだから、番外で仲間に入れなかった。
それでネズミを恨んで、今でもねずみを追い回すのだとか・・・・・・
番外編
この類の民話は、日本全国にあるそうで、ほかにもこんな話があるそうです。
- 遅れてきた猫が神様に「顔を洗って出直して来い」と怒られて、以来猫が顔を洗うようになった。
- 猫がお釈迦様の薬を取りに行ったねずみを食べてしまったために、十二支に入れてもらえなかった。 (出典)
世界で語られる十二支
また、同様の民話は、中国、朝鮮半島、モンゴル、中央アジア、ロシア周辺にも伝わっているそうです。
そして、殆どのものが「猫とねずみが敵対することになった十二支の話」か 「ねずみが牛にくっついていって一番になる十二支の話」なんだそうです(笑)。
猫年のある国
上記したように、十二支は日本や中国だけでなく、漢字の文化圏を中心にアジアやロシアの数か国に伝わっています。
その中で、な、なんと猫年を採用している国がありました!
それは・・・・・・・
↓↓↓↓↓↓↓↓↓
ベトナム です。
ベトナムでは、うさぎの代わりに、猫が干支の動物として用いられているそうです(出典)。
私が聞いたことのあるのは・・・・・・
うさぎの代わりにネコを用いた理由として、猫とウサギの音が似ているということでした!
十二支の由来・本当の意味と猫が入っていない理由
さて、ここからが本題です。
日ごろあまり聞くことのない十二支の由来と本当の意味に迫り、十二支に猫が入っていない理由を探っていきます。
十二支の由来
十二支は古代中国、殷の時代(BC1500~1100年ごろ)に成立し、当初は動物と関係ありませんでした。
もともとは時間や月日をはかるカレンダーのような役割として開発されました。
現在の動物のイメージが定着したのは後漢(BC100年)頃。
覚えやすいように、十二支が持つ「時間、方位、季節」などの意味や、イメージに合う動物を当てはめたといわれています。(出典)
十二支に猫があぶれたのはたまたまだった
十二支のイメージに合う動物を後付けで当てはめていったので、猫がその中に入っていないのは、たまたまということになりますね。
つまり・・・
「干支の順番を決めるという神さまのお触れが出た際、日時を聞き洩らした猫にネズミが嘘を教えたため」
という昔話は後代の創作と言われているのです。
なあ~んだ!と思いますよね!?
十二支のイメージに合う動物を後付けて当てはめていったということを確認できる材料があります。
それは・・・干支の名前と動物の名前が合っていないということです。
干支の名前と動物
子(ね) 鼠
丑(うし) 牛
寅(とら) 虎
卯(う) 兎
スポンサーリンク
辰(たつ) 龍
巳(み) ヘビ
午(うま) 馬
未(ひつじ) 未
申 (さる) 猿
酉(とり) 鶏(鳥)
戌(いぬ) 犬
亥(い) 猪
干支の名前と動物の名前の漢字を比べてみると、ずいぶん違いますよね。
少なくとも干支のイメージに動物の漢字が合っているようには見えなくないですか!?
これこそが、干支のイメージに合う動物を、後付けで決めたということの現れではないでしょうか!?
スポンサーリンク
天文学に使われていた十二支:干支が12の理由
上述のように、月日や時間を表すカレンダー的役割を担っていた十二支。
もともとは木星の位置を表すために、天文学で使われていたようなのです。
木星は12年かけて空を一周します。
木星の毎年の位置を示すために、十二支が割り当てられました。
西洋占星術で、木星が牡羊座にあるとか、蠍座にあるとかいうのと、同じですね。
この木星の位置を表す12個の漢字が、現代の十二支として伝わっているのです。(出典)
なので、この十二支の意味は動物とは全く関係なかったのです。
が~ん、全く関係なかったのね。
十二支の本当の意味とは?
十二支が動物をさしていないなら、何をさしているのでしょうか?
それは・・・・
↓↓↓↓↓↓↓↓↓
十二支の漢字は季節ごとに移り変わる植物を表していたのです!
なので、元旦に神様に挨拶にきた動物順ではありませんし・・・
十二支の動物にに優劣もありません。
十二支の順番はもともと決まっていたのです!
ではなぜ十二支に動物を当てはめたのでしょうか?
十二支に動物を当てはめた理由とは?
それは・・・・・・
一般庶民への普及の目的だったと言われています。
というのも、十二支の漢字のままでは覚えにくかったため、中国後漢時代の学者で干支を開発した王逸(おういつ)という人が、十二支の漢字を差し替えたのだそうです。
子・丑・寅・・・・・亥という12支の漢字を、身近で馴染みのある動物に差し替えて説明し、普及させたと言われているのです。
現在では月日や時間を干支で言う習慣はほぼなくなっていますが、十二支が日本の文化に根付いているのは・・・
十二支に動物が当てはめられているからかもしれません。
そういう意味では、王逸の果たした役割は大きかったのかもしれません。
さて、十二支に後付けで当てはめられた動物たちでありますが、それぞれの動物にはきちんとした意味が込められているので、ここで確認しておきましょう。
十二支の動物に込められた意味とは?
子(ね) ネズミ →子孫繁栄(子供がすぐに増えるので)
丑(うし) ウシ →粘り強さ、誠実(肉は食料、力は耕作に使われ、人間にとっては欠かせない)
寅(とら) トラ →決断力、才知(空に輝く星だったから美しいという言い伝えから)
卯(う) ウサギ →温厚、従順(穏やかな様子が家内安全、跳躍する様子から飛躍を表す)
辰(たつ) タツ →正義感、信頼(伝説の生き物で、古来中国では権力の象徴とされる縁起よい生き物)
巳(み) ヘビ →探求心、情熱(執念深い一方、恩を忘れず、恩返しを行う。脱皮の様子か死と再生のシンボル)
午(うま) ウマ →陽気、おしゃれ(牛同様古くから人間の生活に欠かせない)
未(ひつじ)ヒツジ→穏やか、人情に厚い(群れで生活するところから家族安泰を表す)
申(さる) サル →利口、好奇心(山の賢者で、山の神の使いと信じられている)
酉(とり) トリ →世話好き、親切(とりは「とりこむ」に通じ、商売繁盛に縁起がいい)
戌(いぬ) イヌ →勤勉、努力家(忠実な動物で忠誠、献身、安全の象徴)
亥(い)イノシシ →勇気、無病息災(猪の肉は万病を防ぐと言われ、無病息災のシンボル)
なるほどですね。
各動物には納得感のある意味づけがされていて、面白いですね!
スポンサーリンク
コメント