庶民の味・タコが高級食材に?~タコが高騰している背景とは?~

今やお正月に限らず、日本人が1年中食べているタコ。

タコの刺身、鮨、タコ焼き・・・と調理法こそ異なれど、タコは私たち日本人にとっては、 身近な庶民の味と言える。

私たち日本人にとっては、身近な食材であるが、このタコの値段が高騰しているというニュースを聞いた。

そこで、本稿では今タコの値段が高騰している理由と背景について調べてみた。

日本でのタコ消費量は年間3.7万トンと言われており、そのうち国産は6割ほど。

残り4割は輸入に頼っているのが現状である。

輸入先はアフリカのモーリタニア、モロッコ、そして中国と続く。

価格が高騰する背景には、収穫量が減っていることが当然あるのだが、今タコは国産も輸入もどちらも不足だという。

タコ不漁の背景①

それでは国産のタコから見ていこう。

国産のタコと言えば、有名なのが明石焼きで知られる兵庫県は明石と北海道である。

今、不漁がより深刻なのは明石のタコである。

なぜ、明石のタコが不漁なのだろうか?

理由は今年6月~7月に西日本を襲った豪雨にある。

兵庫県・広島県など西日本を襲った豪雨で海水が海に流れ込み、塩分濃度が上がった。

それがタコの生育に影響したというのだ。

う~ん、確かに。

あの豪雨では大量の雨が海に流れ込んだであろうことは想像に難くない。

そういう訳で明石ではタコが記録的不漁で漁獲量は例年の5分の1に激減。

また、飲食業者によれば、卸価格は8年前に比べて1.5倍に高騰しているという。

続けてこうも語った。

高いうえに、小さい。高すぎて買えない。

この夏の西日本豪雨の被害が、国産のタコ不漁をもたらしたことはわかった。

また、国産ダコの不足は、来年には落ち着くだろうと言われている。

しかし、輸入ダコは取り合いになっており、不漁がより深刻だそうだ。

それでは海外のタコが不漁なのはどうしてなのだろうか?

タコ不漁の背景②

ここ数年スーパーで「モーリタニア」産のタコをよく見かけますよね。

私たちが食べるたこ焼きには、このモーリタニアのたこが入っているのだそう。

明石のタコはもともと高価なため、食べられるのは高級店であり、庶民が食べるたこ焼きには入っていないとか。

そして、私たちが日常食べるたこ焼きに入っているのは、モーリタニアのたこだそうです。

でも、なぜタコが日本から遠く離れたアフリカの国「モーリタニア」で採れるのか?と私不思議に思っていました。

モーリタニア産のタコが日本に多い理由

モーリタニア産のタコが日本に多い納得!な理由がありました!

まず、タコには、大まかに分けて真ダコ、水ダコ、イイダコの3種類があり、明石のタコは真ダコです。

そして、モーリタニアのタコも明石ダコと同じ真ダコなのです。

どうりで食感が日本のタコと同じように柔らかかった訳ですね。

ではなぜ、明石ダコと同じ種類の真ダコがモーリタニアで獲れるのでしょうか?

モーリタニアはアフリカ西部の、大西洋に面していた国です。

島国の日本とその周りを取り巻いている、海底の大陸棚の状況がよく似ていて、そこには日本と同じような種類の魚が多く生息しているといいます。

また、下図が示すように、貿易風と光合成により魚などのエサになる良質なプランクトンが発生するという(出典)。

<易風と光合成により魚などのエサになる良質なプランクトンが発生するメカニズム>出典

人口は約300万人で、土の9割が砂漠だそうです。

国民の平均月収は2万ウギア(約7,000円)。

1960年フランスから独立をはたしたモーリタニアは、当時国を支える主な産業がなく、国民は貧困にあえいでいたといいます。

その時に、救いの手を差し延べたのが日本の海外漁業強力財団で、その財団から派遣されたのが、海外で漁業開発事業を指導していた中村正明さんという方でした。

中村さんはモーニタニアは海に面しているにも関わらず、漁業は未成熟だったので、日本の漁業技術を指導(支援)して、国を豊かにしようと考えたのでした。

この時、モーリタニアに乗り込んだのは中村正明さん一人、一人だけのプロジェクトだったと言います。

1961年頃の 海外漁業強力財団 勤務時代の中村正明さん 1961年頃の 海外漁業強力財団 勤務時代の中村正明さん (出典

モーリタニアの海の地形は、日本のタコが生育するのに適した大陸棚と同じような大陸棚を持った、良い漁場であるので、中村さんは海辺の人たちに 「みんなで漁業をやりましょう」と説いて回ったといいます。

漁業の必要性を説いて回って3カ月後、海辺に打ち上げられている古タイヤの内側にタコが入っていることを見つけ、モーリタニアの大いなる可能性を感じたと言います。

そこで、今まで全然漁業に携わったことのない人たちでも、参加しやすい難易度の低い漁法の「たこつぼ」を中村さんは日本から取り寄せたのです。

モーリタニアの人たちには、自タコを気持ち悪がって食べなかったのですが、自分たちで食べなくても海外へ輸出すればいいことを中村さんは説いたといいます。

そして「たこつぼ」漁の初日、なんと20匹もの良質な「真ダコ」が獲れ、相場の売値は2万7000円(現地なら、米100キロ分に相当する)でした。

それに感嘆して、参加する人達が増え、漁師の収入は、モーリタニアの公務員の給料の5倍に達し、そのことがさらに漁をする人たちを増やしていったといいます。

そのお陰で、タコ漁に使う「タコツボ」を製造するための工場も20か所以上誕生したそうです。

漁以外にも、「タコツボ」作りが産業として定着し、今では、モーリタニアの水産物輸出の約86%がタコです。

そのうち、日本の輸入は約35%で第一位です。

タコによる売上高は今や年間100億円以上になり、タコ漁はモーリタニアの主要産業に成長しました。

現在、日本の遠洋マグロ船団を(モーリタニアの海域に)入れてくれている理由について、中村正明さんはこう語る。

モーリタニア政府の日本に対するお礼だと思います。。

中村正明さん」は、2010年 モーリタニアから国家功労勲章を授与されてました。

現地のモーリタニア人は、ぬるぬるして気持ち悪いと食べなかったタコ、それを漁業として日本に輸出する方法を教え、産業として成立することを示し、現地の人を説得し、拡げていったのが橋本正明さんという方です。

そして、現在では、日本がモーリタニアからのタコ輸入国の第1位で、35%を占めている。

年間売上げ高は、118億円に上ると言われている。

貧困から救ってくれた日本。

「モーリタニア」の人たちは、日本人に対して好印象をもち、特にタコ輸出を産業化してくれた橋本正明さんに感謝して、自分の子供たちのファーストネイムに「ハシモト」という名前を

2011年の東日本大震災の際、在モーリタニア日本大使館に多くの「モーリタニア」の人たちが義援金を持参してくれ、義援金合計が4,750万円にも及んだと言います。

平均月収7000円の国でですよ!

モーリタニア産タコ不漁の背景

さて、前置きが長くなってしまいましたが、本題へ戻りましょう。

日本が輸入を頼っているモーリタニアのタコは今不漁なのでしょうか?

結論かr言って、モーリタニア産のタコは不漁のため、価格は高騰しています。

スーパーアキダイの秋庭社長によれば、モーリタニア産のタコは6-7年前から徐々に上がり、今年一気に急騰したそうです。

なぜ、高騰しているのでしょうか?

これまで欧米ではタコを悪魔の魚(devil fish)デビル・フィッシュなどと呼ばれ、欧米人はあまりタコを食べなかったという。

ところが、アジア人の欧米旅行に伴い、タコ料理がヨーロッパで食べられるようになると、タコの人気が上がり、需要が増していったそうだ。

そして、今輸入ダコは取り合いになっているそうだ。

タコが高級食材に?

先の秋葉社長は、今後のタコの価格上昇について、こう分析している。

今北海ダコは100g257円、モーリタニア産のタコは100g297円。本まぐろが100g397円なので、本まぐろと真ダコとの100gあたりの価格差が100円しか違わない。

秋葉社長は続けてこう語っている。

本まぐろと真ダコが100gあたり100円しか違わないということは、ゆくゆくタコが本まぐろ並みに高の夕飯はタコだよ。」(母)「わ~い。」(子)という河合が、数年先には交わされているかもしれない。

いずれ庶民には手の届かない食材になってしまうのだろうか・・・?

それは寂しすぎるとせつない気もちになったのは、筆者だけではないだろう。



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